• 高調波関連規格動向
    欧州EN61000-3-2規格の明確化が行われており、CENELECで各国の意見を収集し、2001年1月1日の実施予定となっています。これにより原稿のEN60555-2は、2001年1月1日で無効となり、使用できなくなります。よってEN60555-2規格で製作された機器は2001年1月1日以降、EN61000-3-2でテストしなければなりません。

    IEC61000-3-2の明確化関連文書においては、IEC文書として77A/WG1で検討が進められています。一方CENELECではCLC/TC210(S)175が発行されており、多くの変更点が見られます。

    変更された内容は、改訂Aおよび改訂Bの2つからなっており、改訂Bの項目において「機器のクラス分け」が変わっている点は要チェックです。

    • 「特殊な波形」によるClass Dの判定法を削除しています。
    • Class Dは機種限定(下記に示す600W以下の消費電力の機器)で判定を行う方向で進められています。
      ・パーソナルコンピュータ及び同モニター
      ・テレビ受信機とVTR
      ・プロ用でないマルチメディア機器
      ・プロ用でないプリンタ
      ・プロ用でないFAX機器

    電源線伝導ノイズ試験について
    電子機器が外来ノイズにさらされご動作などを引き起こす要因の中で、侵入経路が電源線の場合は伝導ノイズや誘導・放射ノイズなどがあります。電源線伝導ノイズは電源線につながる端末機器のON-OFFにより簡単に発生して、電源線に重畳し他の端末機器に干渉します。

    図2は電源線に重畳した日常簡単に発生するノイズ(ヘアードライヤーのON-OFFによる)

    図3はノイズ部分を拡大した波形で減衰振動波が観測できます。

    日本では電源線伝導ノイズ試験の歴史が長く、四半世紀以上前から方形波パルスによるノイズシミュレータが使用されてきました。

    このノイズシミュレータはパルスの立ち上がりが高速で、周波数スペクトラムは1GHz以上と広帯域になります。特にデジタル機器は高周波ノイズに敏感でイミュニティ対策試験器として有効に活用されています。ただし、パルスの繰り返し周期(100Hz max)が長いため、電子機器のご動作しやすいポイントにタイミングよく印加されないことも起こりえます。

    したがって、電子機器の動作サイクルを通して十分に繰り返し時間を掛けて試験する必要があります。

    IEC規格では電源線伝導ノイズの高周波対策として、IEC610004-4 電気的ファーストトランジェント/バースト・イミュニティ試験を採用しています。

    このEFT/Bはパルスの立上り時間が5nsとノイズシミュレータと比べ遅いのですが、単位時間あたりのパルスの発生数は比較にならないほど多くなります。

    したがって、このバーストノイズはノイズシミュレータと比較して高周波特性にはやや何がありますが、電源線伝導ノイズの実態を踏まえた現実的な試験方法と評価できます。

    最後に電源線伝導ノイズ試験は、電子機器の性格や設置される環境を考慮して実施されることをおすすめします。

    2000年 菊水電子工業株式会社 「SAWS」より