何かを選ぶなら
何かを選ぶなら情熱的に
悪いものを選ばなくては駄目だよ
24年間人知れず自分に溺れて、自分を拒絶して
とうとう、自分が王様だと思い込んだの
王は同時に乞食にでもなりえるの
どんなものにもちょっとずつ手を出して
どれもそつなくこなすし
それなりに華がある人生だけど
そんな自分が人の人生を変える事はないの
辛さも麻痺して
のどに届く時にそれは味もない辛さになって
甘さも忘れてしまうの
おなかもあまりすいてないのにね
肺だけ煙でいっぱいにして
次も、その前も赤い飲み物
でも、「次」に来たものは塩やレモンを入れてもおいしい飲み物
だれとでもうまくやっていける
赤い飲み物
でも、王は赤い飲み物をそのまま飲み干したの
そして、いつもどおり
いつもとは違う道を帰る王
いつもよりも遠回りをしている気がする王
階段をおりると
なぜかいつもより近道だと
やっと気付くの
いままで気付かなかったの
ただ来た道を振り返る王
見知らぬ人の美しくもない終わり
時々いらないものは捨てて整理しないとね
そして少しばかり夢を見る王
気が付くと右手はくさりに繋がれて
木につるされてるの
右からはなにかいい匂いがしてくる
左では愚者が必死に本を読んでいる
匂いのする方を見ても何の匂いか分からない
木に吊るされて
何もできない自分に興奮した王は
右のちからこぶを唇でなぞって自分をなぐさめるの
なぜ、人々を喜ばせる事より
自分らしい生き方を選ばないの?
あなたが求める愛なんて
見つかるわけないでしょ
唯一、そんなものがあるのは
料理の本の白いページの中よ
はじめから
心の葛藤なんて無視されてるの