
オペラ「道化師」のあらすじ
前口上
この芝居は作り事ではなく、役者の現実を描くもの。役者も一人の人間、その魂、愛や憎しみ、嘆きや皮肉、怒りの真実を描くと役者トニオが歌う。
オペラ「道化師」第一幕
1860年代後半、聖母被昇天祭の祝日(8月15日)、南イタリアのカラブリア地方の村外れの空き地。旅芝居の一座を祭り紀聞の村人たちが喝采して出迎える。
座長カニオが「今夜の芝居に是非お越しを」と宣伝。人々が歓声を上げる中、役者トニオが座長の妻ネッダが馬車から降りるのを手助けしようとする。それを見たカニオは、平手打ちを食わせる。カニオは女房が寝取られる芝居はお楽しみだが、自分の妻の不貞は絶対許さないと思っている。
「鐘の合唱」がうたわれ、村人たちが家路につく。ネッダは少女の頃を思い出し、「鳥の歌」を歌う。そこに言い寄るトニオを相手にせず、ムチをとってトニオを打つ。彼は復讐はきっとするぞ、と言って去る。
ネッダの愛人で村人のシルヴィオが現れ、愛の二重唱を歌い今夜駆け落ちすることを約束する。それを見たトニオは、カニオに伝える。ねっだとシルヴィオは固く抱き合い、彼女は「今夜私はあなたのものよ」というが、戻ってきたカニオはネッダに怒り狂う。しかし芝居の時間が迫り、カニオは「衣装をつけろ、白粉を濡れ!客の気に入るように。笑うんだ、パリアッチョ、愛に破れ胸がつぶれようとも。笑え!パリアッチョ」と歌い、号泣する。
♬笑えパリアッチョ
踏みにじられたお前の愛を!— タカゆき@【神ゲー】LoveR kissはいいぞ♥【布教】 (@kleineburg) March 11, 2018
https://twitter.com/schrodinger_eqn/status/824652789452189697
オペラ「道化師」第二幕
間奏曲に続き、村人たちが芝居の開幕を待っている。
ねっだとシルヴィオは駆け落ちを打ち合わせる。劇中劇の幕が上がり、ネッダ扮するコロンビーナが夫の留守に役者ペッペ扮する恋人アルレッキーノと密会する。
「今夜からずっと、あなたのものよ」とささやくコロンビーナの詞に、カニオは現実と芝居の区別がつかなくなってくる。
カニオ扮するパリアッチョは、家の中に他の男がイたとコロンビーナを罵り「もうパリアッチョじゃない」とネッダに激しく迫る。観客は迫真の演技に喝采を送るが、激しいやり取りにさっきを感じる。ついにカニオはナイフでネッダを刺し、観客席から飛び出したシルヴィオにもナイフを突き立てる。
観客は総立ち。
トニオは「喜劇は終わりました」と告げ、そこには現実の悲劇という結末が残るのだった。