• 木曜日はリハビリの日

    火曜日もそうだけどね 週二日あります

    担当のリハビリの先生は女性なんだけど

    そこそこ大柄で見るからにたくましい

    うちの姉さんも167㎝あるから

    昔の人にしたら背が高い方

    だから以前は伝い歩きの練習してたんだけど

    大柄な先生だからこわがりの姉さんも

    安心感があったのではないか

    もうリハビリのお世話になってまる5年になるが

    最初の頃は伝い歩きからもう少しすれば

    歩行器をつかって歩けるよになるのではと期待すらした

    そうならずに逆に痛めた右足がほとんど動かせないこともあって

    足首から左に曲がって それが固定してしまっているので

    まっすぐ立つのも困難になった

    ベッド上での足や腕の運動だけになり

    元気な時はベッドの脇で座るところまで

    座ることは普通なら簡単にできることも

    寝たきりとなるとそれも難しいことが分かる

    何でもない動作が 実は何でもなくはないということ

    病気にならなけれな分からないことは多い

    さて 何を書きたいかというと

    この大柄なリハビリの先生 性格的にははっきりしていて

    言いたいことは遠慮なく言う人だと見た

    記録の控えを観ると 字が印刷された感じの字体で

    几帳面さがうかがえる

    私は恐い先生と言っている その先生が姉さんをお気に入り

    好きな患者さんの1位か2位になるという

    何をしても可愛いと頬ずりしてくれる

    ホントに可愛いと思ってくれているのが分かる

    リハビリ中になにかとチャチャをいれるわたしは

    彼女から変態ジジイと呼ばれている 光栄である

    姉さんが元気だったころ井上ひさしの有名な言葉

    「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、・・・」

    を色紙に書いて飾っていた

    先生がそれを気に入って欲しいというので

    もらってもらえればうれしいと渡した

    私もその言葉が好きだったし

    姉さんは字はうまくはないが味があると思っている

    色紙に長い言葉がきれいにまとまって書かれていた

    いまはもうそんな字を書くどころか

    筆をもつことすらままならなくなった

    そんな先生だから 姉さんの意識がなくなったと聞き

    仕事の合間に寄って下さった

    姉さんの状態が悪くなったのは土曜日だったが

    その前の木曜日のリハビリの時 姉さんはいつもより元気で

    めったに話さなくなったがその日は何回か言葉を言った

    そのあとに姉さんの状態が急変

    脳梗塞か脳内出血の可能性が高いと判断された

    私はもう姉さんはダメだと思った 93歳の高齢だからだ

    心配して土曜の午後は休診だったのに その夜

    わざわざ担当のお医者さんが往診に来てくださって

    先の診断を聞いた

    もう姉さんは死ぬとしか私は考えられなかった

    それは訪問看護師さんたちもリハビリの先生もそうだったと思う

    姉さんをいつも可愛いと言ってくれてるリハビリの先生にとっても

    姉さんのその状態はショックだったと思う

    仕事帰りに他の看護師さんも姉さんの様子を見に来てくれた

    3日程して姉さんの意識が戻ってきた

    目もしっかり見ていることが分かった

    点滴だけで数日姉さんはがんばった

    脳の腫れが引き 少しずつ回復することがあるという

    姉さんはその道をゆっくり戻ってきてくれた

    リハビリも再開 その都度少しずつ回復しているという

    今日などは足に力が入っていたと話してくれた

    言葉が話しにくく ほとんで話さなくなったが

    それでも時折 ありがとうと声を絞り出すことがある

    それを聞いた看護師さんは 姉さん抱きついて礼を言う

    有難いことだ

    さきほどオムツ交換した後 私用のヨーグルトをあげた

    私用というのは プレーンヨーグルトに砂糖を入れてかき混ぜたもの

    砂糖の加減が私好みにほんの少し甘めにしている

    姉さんにヨーグルトはあまりやらないのだが

    今日の食べ具合をみるともっとやってもいいかなと思った

    フルーツゼリーには少し飽きてきたようだから

    それに代わるものとして種類も多いことだし

    早速これからの散歩のついでに買い置きしておこう

    野菜ジュースもなくなってるし プリンもよく食べので補充しよう

    今日の晩御飯の時 ご飯を久しぶりに炊いた

    これまで入れ歯を外して流動食だけにしていたが

    入れ歯で噛むということも大事だと思い試しにご飯から・・・

    そう思ったのだが もう長い間入れ歯をしていないので

    かえって使い勝手が悪いのか 噛む要領が戻ってないのか

    口から出そうとするので すぐ入れ歯を外した

    いつものように嚙みくだいて栄養剤のエンショアに混ぜて

    ドロドロ状態にしてやった

    キュウリもゆで卵もマヨラーの姉さんなので マヨネーズにませて

    ご飯とおなじ要領であげるとよく食べてくれた

    冷凍のブリを塩焼きにして 同じように流動食状態にする

    魚嫌いの姉さんだが 今日は食べてくれた

    そうそう お昼はソーメン これもよく食べてくれる

    飲み込むので入れ歯はいらない

    今日のところはこんな状態

    今日姉さんはよく笑った

    言葉は少しだけ話したが

    笑顔をたくさん見ることができた

    笑顔が私も思う 可愛いのだ

    リハビリの先生がいつも可愛いと言ってくれるのが

    こわい?先生と勝手に思っているだけに

    ことのほか嬉しい

    その先生 いつも帰りに今度は次に来る日を言うのだが

    今日はまたあさってくると言ったので

    あさってとは土曜になりますよというと

    すっかり曜日を勘違いされていたようで

    このあと火曜日のところに行くつもりだったと・・・

    私みたいにボケたのかもと

    私とは私のことだが

    変態のボケジジイと思われている・・・光栄なことだ

    こうやって言葉遊びできるリハビリの先生の時間を

    私は楽しみにしている

    願わくば姉さんも楽しみにいているといいのだが