日々

死んだ男の残したものは

朝から蟲の知らせが届いて、知人が逝きました。
この知らせが来る前に、彼からの昔のメールを見直してて

最後のメールには彼の最後の10年がつらつらと書かれていて
これからのことを僕としようという内容だったんだよね。

・・・

でも世の中そんなに甘くない。バブリーなおじさんに
もう一度バブルの神は微笑まなかった。

結局400年が終わったと同時に仕事は追い出され、
あの調子のバブリーおじさんも
別のバブルを求めてバイバイしてしまった。

直後に相続の件で信頼していた弟が裏切った。
それでも3000万ぐらいはきたのだけれど、
税金と弁護費用と借金を返したら残ったのは500万だった。

それもこの1年、56のオヤジになかなかいい仕事が来なくて
結局生活費に使って使って今は100万しかない。

そして極めつけは元部下で身よりもない67の爺さんが
生きていけないと自殺志願してたのを押しとどめて
生活保護の段取り付けてカードローンの踏み倒しまで手伝ってやって。

・・・

メールから抜粋したけど、晒すとかそういうんじゃなくてね
最近では、仕事もうまくいって、昔の芸術仲間と展示会なんかして、楽しそうだったんだけどね。これから、僕と仕事なんかを一緒にしようと会ってない近状を書いてくれたんだろうね。

はじめて他人生をのぞいたような気がしたよ。
あの、グハグハ笑うひげおやじに会えないのはとても寂しい事だと思う


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