姉さんの日々~9月2日 イタ~~イ
月曜は姉さんの入浴サービスの日
入浴は大好きな姉さんだから嬉しいはずなのだが
感情表現はまだ十分戻っていない
言葉もほどんど話さない
時折あれっと思うことを言う
今朝なんか
起きて一発目のあいさつの時
「電気つかへんねん」という
寝ている間は豆電球にしているが
寝てきりなので届くはずはないのに
そして下腹部をさすりながら
「ここ いたいねん」という
痛み止めのクスリのもうねといって
先ず下の掃除?処置?
何というのが適当だろうか
オムツ交換なんだけど
こんな感じで一日が始まった
いつもはレーズンロールにジャムつけて
ミルクか栄養剤に浸してドロッとなる感じに練りこむ?
すると石工食べてくれる
例えが悪いがツバメの子が口を開けて待っている感じ
それぐらい食欲があるとこちらは嬉しい
以前食欲がないとき 口を無理からに開けて栄養剤や食事をやってた
なんといっても元気の素は口からの摂取
点滴を打ってもらってるので水分補給は少しは気が楽だが
それだけで足りるのではないそうだから
さてその点滴の話が「イタ~~イ」につながる
往診の時に寄ってもらうのだけど
姉さんの血管は細いらしく どこに打つかいつも探すのが大変みたい
以前は手からだったが 同じところばかり使うわけにはいかないようで
最近は足先にも打つ
ベテランの看護師さんだったが どこに打つかかなり迷って
いよいよ足首ちかくに針を入れると
姉さんが「イタ~~イ」と大きな声
いつも声が出ないのに しかも大きな声で「イタ~~イ」と
なかなか針が血管に入らず何度も「イタ~~イ」と
私は痛いのはかわいそうだが 大きな声を聞けたことがうれしくて
むしろ笑ってしまった
看護師さんもそんなことで同様するひとではなく
足を変えて打つところを探している
何とか血管に針が入って血が少し点滴の細い管に流れ込む
それが血管に入った証拠なのだが
そしたら点滴の流入調節のつまみを回して液の落下を確認
看護師さんが帰られた後 しばらくして点滴を確認したら止まっていた
足の位置を少し変えたりしたが点滴液は落ちない
診療所に連絡すると あとで来てくれることになった
というわけで再度の血管探しが始まる
今度は姉さんは眠っていたようで
痛いという声もなく点滴完了
今度は最後まで点滴は何事もなく無事終了
姉さんは痛い思いをしただろうが
私は何度も姉さんの大声を聞けてうれしかった
というくらい話せなくなっている
思えばそれが脳梗塞の前兆だったのだろう
すでに脳の障害が始まっていたのだろう
それを脳の障害 脳梗塞や脳内出血とかに考えが及ばなかった
意識不明という形で突然の症状に驚いた
一度奪われた脳機能の障害は元戻らないという
姉さんの場合話すことが困難になったが
全く話せないわけではない
二日ほど前から単語だけではなく
文章として会話?ができるように少しなったと思う
高望みはしないが少しほっとしている
試しにしりとりしてみた
本人もその気になったが
「う」の付く言葉で「うさぎ」と答えた
しりとりはこの一語だけだったが
それでも十分だ
しりとりをしたのはなぜかと言うと
今日午後に来てくれる訪看さん・・・訪問看護師さん
私がつけたニックネームは「しりとりの師匠」
まだ姉さんが元気な時にしりとりでよく遊んでくれたから
さて今日の午後 どうなりますか
しりとりができますでしょうか