日々

古い映画を観たくなった~お遊さま(Miss Oyu)

お遊さま(Miss Oyu) 

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お遊さまは、小曽部の家から金満家粥川へ嫁入って間もなく夫に別れたが、一人子一の養育のかたわら、贅沢と遊芸三昧に憂さを晴らしているひとであった。一番仲のよい妹お静が芹橋慎之助と見合いをするのに付き添って行くが、慎之助はお静よりもこのお遊さまに深く心をひかれる。そこでこの縁談はいったん破れかけるが、お遊さまが、結婚するならぜひ慎之助とというたっての願いにお静は承知して芹橋へ嫁ぐことになった。

監督・溝口健二 1951年 大映

お遊さま・田中絹代

谷崎潤一郎の「蘆刈り」が原作とか

「春琴抄」同様に 私はkの映画の世界が好きだ

最後には涙してしまった

この映画では 田中絹代が琴を弾くシーンが見せ場の一つ

最初の琴を引くシーンは 永安時代の髪型と衣装

贅沢三昧の様子を見せる

小説は文章で その華美なさまを表現する

映像は現実世界に移し替える 目に見えるように再現する

映像の中で さもリアルな世界が展開する

映画で 普段ではうかがい知れぬ上流階級の様子を

あるいはその話を目にすることができる

ドラマではあるが 映画という夢の世界でしばし遊ぶことができる

今私は その映画という非現実的なリアル世界に浸っている

谷崎潤一郎小説を原作とした映画の世界は

田中絹代の魅力もあって さらに監督の力量もあって

私は夢の中にいる

谷崎の描く世界の魅力というより

私自身の心の奥底にある 根深い願望に気づかされた思いがしている

自分で長年封をしてきた世界 それがたまたま映画の世界で垣間見た

たまたまその作品の原作が谷崎だった

映画の世界にそれを創造したのは監督

原作はあっても 映画になった時点だ監督の作品

その映画に感動したということは 監督の作品がもたらした感動

その世界を体現表現した俳優に感動する

乙羽信子演じる静は 実の妹か婚家先の妹か

義理の妹と読んだ気がするが 映画を観るとどうも実の妹のようだ

この設定は大事な気がするが 実の妹でも考えられる内容

妹の姉思いは プラトニックな愛のように思える

新緑をめでに行った先での夜 冷えるという姉に妹が別室から

一緒に寝ましょうかというシーンがあった

姉は 相手を間違ってませんかとたしなめる

私にはこのシーンに妹の思いがうかがえるが

そのシーンの前には 姉と夫が戯れるあまり

宿のおかみに夫婦と間違えられる

そこで姉が妹に 夫婦で仲のいいところを見せなさいと

妹のからだを夫に近づけると 妹は怒りをあらわに外に出る

迎えに行った夫と静子の外での会話は 静子の微妙な心の変化がうかがえる

子どもが死んで実家に帰されたお遊 縁談があって再婚する決心をする

静子に夫婦の関係を問われ 事実を話す 夫婦ではなく兄妹だと

初めてそのことを知ったお遊は 2人はやり直せると勧める

それができないなら絶交するといいおいて去る

ここで長い時間の経過があったような画面

洗濯物を取り入れるお静 貧しい身なり

夫の家が没落 東京に逃れてきたという

2人に子供ができたことが分かる

お遊とは絶交状態

子は生まれて お静は無くなる

京都での琴の演奏 昔同様に豪華に着飾ったお遊の姿

食事の時に赤ん坊の泣き声

お静の夫が赤子を置いて去った

置き手紙を読み 私に子供ができたと喜ぶお遊

死の間際 夫に言う 私一人のものにしたかった

お遊の形見といって置いて行った小袖を身にまとい

お静は無くなる

謡曲「蘆刈」に小説の想を得たという谷崎の「蘆刈」

読んでみようかと思った

青空文庫にあった
https://www.aozora.gr.jp/cards/001383/files/56875_58210.html


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