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April / 4月
6
2015
月曜日
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NPOの寄付集め支援

【第35回】自社ECを成長させるべき理由

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■楽天市場加盟店のメルマガ配信が完全有料化
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今年4月から、楽天市場加盟店のメルマガ配信が完全有料になりました。

ご存知のように、楽天市場は日本で一番の集客力と加盟店数を誇るECモールですが、私は個人的に、本当の意味でのいわゆる「ダイレクトマーケティング」ではないと思っています。エンドユーザーにダイレクトに販売するには違いありませんが、以前の記事でも書いたように、ダイレクトマーケティングのキモ中のキモである、自社の顧客リストが手に入らないからです。

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■「顧客の創造、維持」が他力本願に
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極端な話、なぜ通販をやるのかと言えば、「通信」という飛び道具を使って、従来ではカバーし切れない商圏にまで、販売(顧客創造)することが可能だからです。そして、リピート商材であれば、仮に広告費が嵩んでCPA(顧客獲得コスト)が高くなっても、リピート率を高めて、LTV(顧客生涯価値)を向上させることで、一年後にこれだけの利益を出すという目標を設定します。また、リピート商材でなくても、顧客リストに対して別の商品を提案することで、関係性を深めていく。つまり、どんな商品であっても、顧客との継続的なコミュニケーションが必要不可欠なのです。

その手段としては、メールはもちろん、電話や手紙など、顧客に合わせて様々なバリエーションを準備します。その視点で楽天市場を見ると、もう恐ろしく何もできません。先述のように、顧客リストは手に入りませんので、リピート目的でこちらからDMなどを送ることができません。メルマガは、楽天市場内のシステムを通じてなら可能ですが、これまで唯一の頼みの綱だったこれも、今年の4月から完全有料化されました(これまでは月4回は無料で配信できました)。

つまり、ひとことで言うと、ドラッガーの言う「顧客創造と維持」という、企業として最も大事なことが自力でできない。他力本願になってしまうということです。その状態で、血眼になって楽天市場内で売り上げを挙げようとする理由が、私には理解できません。

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■利益を正確に把握しているか?
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私はこれまで、ダイレクトマーケティングを導入して自社の体力をつけるために、「脱楽天」(単にやめることではなく、上記を理解した上で戦略的に使う)の必要性を強く感じていたものの、まだこのメルマガ無料配信が(週一といえども)できるので、トーンは抑え目にしていました(笑)。少なくとも、楽天市場の集客力は、うまく活用すべきではないかと。しかし、メルマガ配信までも完全有料化されるとなると、少なくとも将来的に通販で業績を伸ばす意向があるのなら、もういい加減「脱楽天」を真剣に考える時期なのではないかと思うのです。

楽天市場はカカクコム化している側面がある(同じ商品を価格別にソートし、値段を比較できる)ので、ここに販売の主軸を置いていると、価格競争の中で疲弊しがちです。「デフレ脱却」どころか、どんどん安さの勝負になっていきます(買う側からすればありがたいことですが)。同時に、楽天への手数料の類が増えていって、でもそれぞれが細かいので全体の収支がよくわからなくなりがちで、そのうえ、他の通販プラットフォームも一緒にやっていると、楽天市場だけの収支がますますわかりにくくなる。スーパーセール中に値段を下げたり、広告を打ってみたり、送料を下げてみたり、日常的にいろんな試行錯誤をするのが常なので、余計にわかりづらい。

こんな感じで、売り上げは立つけど、肝心の「楽天での利益」は明確に把握していないというところも、少なくありません。

楽天市場に出店しているところは、一度楽天市場単体での収支を正確に計算して、上記で述べたようなことを考慮しても収支が合っているかどうか、考えてみるべきだと思います。その上で、やるメリットは大いにあるということであれば、何の問題もないでしょう。しかし、私は顧客リストと、顧客との日常のコミュニケーションは通販の命だと思っているので、それがなくても通販のメリットがあるんだと言われると、内心は「ちょっと待ってちょっと待ってお兄さん」です(笑)。

でも、確実な方法がない
ただ、私の印象では、楽天市場加盟店の大半の方は、このようなことはわかっているのです。全員とは言いませんが、結構な割合で。でも、抜けたいけど、抜けるのが怖い。あるいは、その方法が分からない。そんな人が大半である気がします。利益はともかく、楽天市場での売り上げが全体売り上げの大半を占めているような場合では、相当な勇気と準備が必要でしょう。必死で頑張っても顧客リストは手に入らず、価格競争と楽天への支払いで、利益はどんどん薄くなる。その上、メルマガまで有料。でも、顧客リストが手に入らないので、辞めたら本当に何も残らない。だから辞めるのが怖い。こういうスパイラルであることは、想像に難くありません。

少なくとも日本国内においては、他のプラットフォームに比べても、楽天はダントツで集客力が高い。自社ECを立ち上げて、一から(ゼロから)集客をしていく場合と比較すると、天と地の差です。しかし、自社サイトで苦労して増やした顧客リストは、楽天での売り上げの何倍もの価値があります。企業価値を高めるために、そこに注力すべきだというのは、私の変わらぬ意見です。

まあ、個人的な意見ということで、好きなように書かせていただいていますが(笑)、もちろんこれは、楽天市場に限った話ではありません。「顧客リスト」と「顧客とのコミュニケーション」が通販の命であり、それが自由にできないのであれば、楽天であろがどこであろうが、通販企業としての力にはならないと思います。

「違う。楽天市場はこういうメリットがあるんだ」ということがあれば、ぜひ教えてほしいです。私が知らなかった楽天のメリットがあるのなら、次回の記事でぜひ取り上げたいと思います。

2015年4月6日 月曜日 | NPOの寄付集め支援

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