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December / 12月
13
2017
水曜日
野崎

「下天を謀る」を読了

安部龍太郎氏著「下天を謀る」を読了した。上巻・下巻からなり、約700ページ近い大作である。
戦国時代後期から江戸時代初期の武将藤堂高虎の生涯を描いた本である。
高虎は「最高の№2」との評価の高い名将であるが、何度も主君を変えたことから、変節漢とか走狗ともいわれ歴史小説では否定的に描かれていることが多い。

実際私はこの本を読むまでは、築城の名手、主君に取り入るのが上手な寝業師程度の認識だった。

彼の仕えた主君を列記してみる。
①浅井長政で15歳にて姉川の戦いに参戦
②旧浅井氏家臣の阿閉貞征・磯野員昌
③織田信澄
④豊臣秀長 同秀保
⑤徳川家康・同秀忠

彼の言葉に「武士たるもの七度主君を変えねば武士とは言えぬ」とある。

彼の若き日の人生の師は豊臣秀長、壮年になってからは徳川家康だったことがよく判る本だった。彼はこれらの主君に献身的に仕えている。賤ヶ岳、朝鮮出兵、関ヶ原、大坂の陣などはその好例であろう。
その底流には万民のための政治を行う、との明確な理念が存在した。

この本の題名、下天とは人間界即ち穢土のことで、謀るとは、万民の幸せを実現するための努力だという。

私は膳所城跡、関ヶ原の大谷吉継の墓、南禅寺の山門、などは見ているがすべて彼が深く関わりあっている。

江戸時代、儒教の教えが浸透する以前は、家臣は自分の働きに見合った恩賞を与え、将来性のある主君を選ぶのが当たり前だった。この点から判断すればやはり藤堂高虎ほどの優れた№2は探すのが難しいだろう。

2017年12月13日 水曜日 | 野崎

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